こんにちは。
協和日成の決算を少しだけ深掘りしていきたいと思います。
本日のテーマは「ROEが低下したのはなぜか?」です。
409日目
— モンエナ@企業分析 (@mon_ena1102) 2022年8月12日
株式会社協和日成(1981/設備工事)
第74期通期 #決算サマリー
○財務数値(日本基準/非連結)
売上高 344億円→342億円(前年比△0.7%)
当期純利益 17億円→10億円(同△38.0%)
総資産額 261億円→262億円
純資産額 168億円→176億円
自己資本比率 64.7%→67.1%
○どんな企業か?
協和日成は東京ガス系列のガス配管工事会社です。
事業は
・ガス設備
・ガス導管
・建築設備
・電設土木
の4つに分かれています。
この中でモンエナが興味があるのはガス導管事業です。
都市の地下にはガスを供給するための導管が張り巡らされています。
この導管を安全に保つための調査や改修工事などを協和日成は行っています。
https://www.kyowa-nissei.co.jp/ir/event/pdf/01/202204.pdf
セグメント別で見てみると
ガス導管事業の比重が一番大きいことがわかります。
○業績
業績をざっと見てみましょう。
減収減益ですね。
売上高は前年比△0.7%、
営業利益は同△10.5%、
経常利益は同△11.7%、
当期純利益は同△38.0%です。
売上高の減少幅はそれほど大きくないわりに、
各利益が大きく減少しているように感じます。
前年と比べたら利益率は低下しているものの
売上高経常利益率は4.1%であり
協和日成の掲げる目標である売上高経常利益率4.0%の水準を超えています。
○ROEの低下
ROEは前期10.3%、当期6.1%で、4.2ポイントの減少です。
今日はこの原因を深掘りしようと思います。
ROEの計算式は3つに分解することができます。
ROE=売上高純利益率*総資本回転率*財務レバレッジです。
前期ROE
=売上高当期純利益率*総資本回転率*財務レバレッジ
=5.0%*1.32*1.55
=10.2%
当期ROE
=売上高当期純利益率*総資本回転率*財務レバレッジ
=3.2%*1.30*1.49
=6.2%
このようになっています。
3つの要因に分けて考えると
売上高当期純利益率の低下がROEを大きく下げているのが分かります。
利益率の低下は業績のところでも触れましたが、
この原因をさらに分析してみましょう。
○利益率低下の原因
売上高当期純利益率の低下した原因を探っていきます。
売上高当期純利益率は先ほど述べたとおり
5.0%→3.2%に低下しています。
損益計算書の各項目の、
売上高に占める割合と前年比を算出すると面白いですね。
前期 | 構成比 | 当期 | 構成比 | 前年比 | |
売上高 | 34,485,637 | 100.00% | 34,244,246 | 100.00% | -0.7% |
売上原価 | 30,546,571 | 88.58% | 30,689,759 | 89.62% | 0.5% |
売上総利益 | 3,939,066 | 11.42% | 3,554,487 | 10.38% | -9.8% |
販管費 | 2,531,947 | 7.34% | 2,295,285 | 6.70% | -9.3% |
営業利益 | 1,407,119 | 4.08% | 1,259,202 | 3.68% | -10.5% |
営業外収益 | 207,214 | 0.60% | 192,648 | 0.56% | -7.0% |
営業外費用 | 25,750 | 0.07% | 48,724 | 0.14% | 89.2% |
経常利益 | 1,588,583 | 4.61% | 1,403,126 | 4.10% | -11.7% |
特別利益 | 903,600 | 2.62% | 74,933 | 0.22% | -91.7% |
特別損失 | 2,482 | 0.01% | 1,553 | 0.00% | -37.4% |
税金等 | 749,858 | 2.17% | 397,529 | 1.16% | -47.0% |
当期純利益 | 1,739,843 | 5.05% | 1,078,977 | 3.15% | -38.0% |
パッとみ営業利益の低下が利益率を下げているのかと思いきや
「率で言えば」売上高営業利益率は4.08%→3.68%と対して変わっていません。
営業利益以下の項目を見てみると
・営業外費用が+89.2%と大きく増加している(金額は小さい)。
・売上高経常利益率は4.61%→4.10%とそれほど悪化していない。
・前期に9億円計上された特別利益が当期は7,500万円程度。
・税金等は半分くらいまで減少している。
これらのことが分かります。
したがって前期と比べて売上高当期純利益率が低下したのは
・前期に計上された事業譲渡益9億円の特別利益の反動
とまとめることができそうです。
今日のテーマである
「ROEが低下したのはなぜか?」の解答は、
本業での利益率はそれほど変わっていないが、
前期に計上された事業譲渡益9億円の反動を受けたため。
という感じですかね。
なんか文章纏まってない気がするけど今日はここまで!!