こんにちは。
今日は九電工の企業分析をしていきます。
221日連続投稿!!
— モンエナ@企業分析 (@mon_ena1102) 2022年2月2日
株式会社九電工(1959/設備工事)
第94期第3四半期 #決算サマリー
○財務数値(累計/日本基準)
売上高 2,665億円→2,412億円(前年同期比△9.5%)
四半期純利益 138億円→137億円(同△0.4%)
総資産額 3,665億円→3,481億円
純資産額 2,217億円→2,265億円
自己資本比率 60.0%→64.5%
○事業内容
九電工の事業内容は主に設備工事です。
全体の96%を占めているのでほぼ全てと言っていいでしょう。。
また、九州電力系(株式を22.5%保有)ですが九電への依存度は1割程度とのことです。四季報より。
設備工事と言われてもいまいち事業内容を想像しづらかったのでホームページを見てみました。
電線関連の工事や、近年社会的要請の高まっている電線や電柱の地中化などを行っています。
↑こんな感じですかね。
他にも光ファイバーケーブルの整備なども行っています。
○財務分析
今期は減収減益になっています。
ただ、売り上げが10%近く減少しているのにもかかわらず四半期利益はそれほど減少していません。この要因を見ていきましょう。
売上高2,665億円→2,412億円(前年同期比△9.5%)
営業利益188億円→167億円(同△11.4%)
経常利益209億円→194億円(同△7.3%)
四半期純利益138億円→137億円(同△0.4%)
この4行から特別利益が計上されていると予測できます。
実際に損益計算書を見てみましょう。
九電工第94期第3四半期報告書より
前年同期に比べ、
特別利益+7.7億円
特別損失△1.7億円
により特別損益は9.4億円プラスになっています。
営業利益が21.6億円減少しているのに対して特別損益が9.4億円プラスになったことで利益減少のダメージが小さくなっています。
次に、貸借対照表をみたときにパッと目に付くのは利益剰余金の大きさです。
金額にして2,022億円、総資本に占める割合にして58.1%です。
今回はこの四半期決算の資料しか読みませんがこれまで着実に利益を積み重ねてきたことが伺えます。
通期決算の分析では積み上げてきたキャッシュをどのように事業投資に回してきたか、などを分析できたらと思います。
設備投資型の企業と思ったものの意外と総資産に占める有形固定資産の割合は23.0%とそれほど大きくありません。
ではどんな資産を多く持っているかというと受取手形・完成工事未収入金等の売上債権と投資有価証券です。
九電工の資産の内訳をざっくりまとめてみると、
現金預金 13.5%
売上債権 27.0%
投資有価証券 17.5%
建物・構築物 9.3%
土地 8.5%
これらで75.8%、4分の3を占めます。
特にどれに偏っているというわけではないのでコメントしづらいですね。
強いていうならば売上債権が大きいため資金繰りの難しいビジネスモデルと言えるでしょうか。
ということで現時点で資金繰りに問題がないかどうか見て今日は終わりにしましょう。
それぞれの指標を前年同期と比較をしてみます。
流動比率 170.0%→185.5%(+15.5pt)
当座比率 40.6%→45.5%(+4.9pt)
どちらも改善しています。
とは言え当座比率が50%を切っているのは危ういような気がします。
競合他社と比較したいところですが今日は省略します。
手元流動性比率 2.29ヶ月→2.33ヶ月(+0.04ヶ月)
手元流動性比率とは換金の容易な資産が売上高の何ヶ月分に相当するかという指標であり、最低でも2ヶ月分のキャッシュを保有する必要があるとされています。
当社は2.33ヶ月なのでとりあえずは問題ないと言えます。
ということで今日はこれで終わり!