#223 西部ガスホールディングス 第129期第3四半期

こんにちは。本日は西部ガスの決算書を読んでいきます。

 

 

○業績

売上高 1,328億円→1,440億円(前年同期比+8.5%)

営業利益 10億円→△35億円

経常利益 12億円→△27億円

四半期純利益 △3億円→△20億円

 

パッとみであまり業績は良くなさそうですね。

 

費用面につきましては、ガス事業において、原料LNGの調達先で発生したトラブルを受け、代替の原料LNG をスポット市場から調達した影響等により売上原価が増加したことに加え、減価償却費が増加いたしました。 この結果、営業損益は3,599百万円の損失(前年同期は営業利益1,073百万円)、経常損益は2,784百万円の損失 (前年同期は経常利益1,220百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損益は2,064百万円の損失(前年同期は親会 社株主に帰属する四半期純損失384百万円)となりました。

第129期第3四半期決算短信 経営成績に関する説明より

 

LNGの取引はターム取引とスポット取引とに分類されます。ターム取引は原油価格に連動し中長期の契約を結びますが、スポット取引はその時々のLNG需給を反映して価格が決定されます。

液化天然ガス(LNG)先物取引 | 北浜投資塾 - 大阪取引所(日本取引所グループ)

 

ガスを安定して調達するためにはターム取引の方が良さそうですね。

 

 

売上高8.5%増加に対して売上原価17.5%増加しています。

これによって損失が発生しています。

スポット取引でガスを調達した影響がP/Lにも現れていて面白いですね。

 

 

○貸借対照表

次に貸借対照表を見て西部ガスの特徴を探していきましょう。

 



 

左側が貸借対照表、右側が損益計算書です。

データラベルの項目をグラフの横にどうやったら付けたらいいか誰か教えてください汗

 

とりあえずこの比例縮尺図から読み取れるのは

・固定資産がかなり大きい。

・純資産が小さく固定負債が大きい。

・流動比率が100%を下回っている/固定長期適合率が100%を上回っている。

・見えにくいが営業損失が発生している。

 

といったところでしょうか。

 

ここから予想できる西部ガスのビジネスモデルの特徴は

・設備投資型の事業であり利益の変動が大きい。

・巨大な設備に投資するため他人資本に頼っている。

こんな感じでしょう。

 

損益分岐点に関しては複数年のデータ入力が必要なので今回はやりません。

 

どのように資金調達をしているのか気になりますね。

また、固定資産は設備や建物などが大半を占めるのか投資有価証券やのれんが大きいのか。

当社はあまりM&Aのイメージがないのでのれんはそんなに大きくないでしょうか。

 

ということで実際にB/Sを見てみましょう。

 

固定資産は総資産の74.6%を占め、その固定資産の中でも

投資有価証券:14.8%

有形固定資産(設備系):77.1%

この二つで92%を占めます。

のれんは限りなくゼロに近いですね。

 

当座比率は19.6%で1年以内に支払いの期限が到来する債務に対して支払いに使える資金を2割程度しか保有していないことになります。大丈夫かな。

 

P/L項目も使って安全性をざっくりみてみると

手元流動性比率:1.86ヶ月→1.91ヶ月と目安となる二ヶ月を下回っています。

 

支払利息に対して何倍の収益を稼いでいるかを示すインタレストカバレッジレシオも

1.8倍→△2.8倍となっており非常に危ういと言えるのではないでしょうか。

 

通期の決算ではキャッシュフローの分析をした方がいいかもしれませんね。汗

 

 

有利子負債と株主資本の比率を示すD/Eレシオも

2.69倍→3.07倍となっています。

負債の依存度が高いのは心配ですね。

 

総資本に占める利益剰余金の割合も

11.1%→9.9%とあまり大きくありません。

 

全体的に収益性も安全性も低いなという印象です。

だからこそガス以外の事業にも力を入れてるみたいですね。

頑張れーモンエナの地元企業。いっぱいガス使うからさ(?)

 

 

眠くて目の焦点が合わないのでここらへんで。