こんにちは。前回の記事では何が言いたいか全くわからない文章を書いてしまったので今日はしっかり最初に目標を決めたいと思います。
今日の目標は「東京ガスのビジネスモデルの特徴を掴む」ことです。
矢部謙介先生の「武器としての会計思考力」を参考に分析させていただきます。
218日連続投稿!!
— モンエナ@企業分析 (@mon_ena1102) 2022年1月30日
東京瓦斯株式会社(9531/ガス)
第222期第3四半期 #決算サマリー
○財務数値(累計/日本基準)
売上高 1.2兆円→1.3兆円(前年同期比+12.4%)
四半期純利益 424億円→338億円(同△20.3%)
総資産額 2.7兆円→3.1兆円
純資産額 1.1兆円→.11兆円
自己資本比率 42.1%→36.8%
東京ガス第222期第3四半期 決算短信
https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20220128-01.pdf
比例縮尺図を作って見ましたがもう少し見やすくできるようエクセル勉強して見ます。。
P/Lの項目は第3四半期(9ヶ月間)までの累計なので単純にB/SとP/Lを並べてしまうと正確な比較はできないのでご注意ください。
この図から東京ガスのB/SとP/Lの特徴をまとめてみます。
・有形固定資産が大きい。
・純資産と固定負債が大きい。
・売上原価が大きい。
・利益率は低い。
ここから東京ガスのビジネスモデルに関して推測して見ましょう。
- 設備型のビジネスを展開しており有形固定資産の多くは工場などで構成されている。
- 有利子負債が大きい。
- 売上原価にはガスの調達にかかる費用が計上されている。
- 純資産の多くは利益剰余金だが、資本金等も多く含まれている。
それでは実際に財務諸表を読んで上の仮説4点を検証していきましょう。
- 設備型のビジネスを展開しており有形固定資産の多くは工場などで構成されている。
有形固定資産が総資産に占める割合は47.8%。ほとんど半分ほどです。
その内訳と有形固定資産に占める各資産の割合を算定して見ます。
製造設備 14.7%
供給設備 38.1%
業務設備 1.0%
その他の設備 38.0%
休止設備 0.0%
建設仮勘定 8.0%
となっています。
供給設備と製造設備、その他の設備の3つで9割を占めます。
製造設備よりも供給設備の方が資産額が大きいのはガス事業は各家庭に供給するための導管などを多く所有しているためと思われます。
他のガス会社の資産内訳とも比較してみると東京ガスの特徴がわかって面白そうですね。
まあ僕はやりませんが。笑
したがって、1つ目の仮説については工場というよりもガスを供給するための供給設備が多くを占めていることがわかりました。その他の設備に関しては割愛します。
2.有利子負債が大きい。
これに関しては貸借対照表の負債の部を見て見ましょう。
固定負債のうち有利子負債に該当するのは
・社債
・長期借入金
です。
一方、流動負債のうち有利子負債に該当するのは
・1年以内に期限到来の固定負債(おそらく)
・短期借入金
です。
これらが総資本に占める割合を算定してみると
有利子負債1,150,215百万円/総資本3,144,050百万円*100
=36.6%となります。
有利子負債を株主資本で割った指標である有利子負債比率を算定して見ます。
なお株主資本は株主資本+その他の包括利益累計額合計を足しています。
有利子負債1,150,215百万円/株主資本1,155,874百万円*100
=99.5%です。
有利子負債比率は100%を下回っていればOKということらしいので良さげです。
また長期的な財務安全性を示す固定長期適合率も100%を下回っています。
固定資産2,263,951百万円/(株主資本1,155,874百万円+固定負債1,326,641百万円)*100
=91.2%
収益化までに時間のかかる固定資産を返済期間の長い、あるいは返済の義務のない固定負債+株主資本で賄えているという状態です。
少しずれてしまいましたが2つ目の仮説は有利子負債が大きいと言えそうです。
しかし固定長期適合率は100%を下回っており安全性に問題はなさそうです。
3つ目4つ目の仮説は今日はとりあえず扱わずおしまいにしようと思います(なんでや)。