今日は日鉄鉱業を見ていきます。
206日連続投稿!!
— モンエナ@企業分析 (@mon_ena1102) 2022年1月18日
日鉄鉱業株式会社(1515/燃料・資源)
第108期第2四半期 #決算サマリー
○財務数値(累計/日本基準)
売上高 558億円→710億円(前年同期比+27.2%)
四半期純利益 29億円→53億円(同+80.1%)
総資産額 1,887億円→1,940億円
純資産額 1,164億円→1,228億円
自己資本比率 58.9%→60.3%
○事業内容
まずはどんな事業をやっているか。
第107期有価証券報告書[事業の内容]より
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(連結財務諸表提出会社)及び子会社32社、関連会社3社により構成されており、当社及び連結子会社の主な事業は、資源事業(鉱石部門、金属部門)、機械・環境事業、不動産 事業及び再生可能エネルギー事業であります。
・資源事業(鉱石部門、金属部門)
・機械・環境事業
・不動産事業
・再生可能エネルギー事業
○経営指標
今日は少し新たな視点から企業分析をしてみたいと思います。
まず経営者がどんな指標をKPI(重要業績指標)としているのか。
第2次中期経営計画は2021~23年度を期間としています。
長期ビジョン
資源の開発・安定供給を通じて社会に貢献するとともに、「総合資源会社」として グループの総合力を発揮し、持続的成⻑を実現する。
財務指標にROA4%以上、自己資本比率57.5%以上を掲げています。
これは理想的な数値目標と言うよりも長期的な投資を行う目的のため一時的に低下した数値を掲げています。20年度の実績でROE4.6%、自己資本比率58.9%なので投資に対する本気度を感じますね。
日鉄鉱業(株)第2次中期経営計画より
https://www.nittetsukou.co.jp/ir/management/pdf/medium_term_20210510_02.pdf
この中計は昨年5月に発表されていますが実績としてはどうでしょう。第2四半期の数値を見てみたいと思います。
○中期経営計画の進捗
「23年度」の目標は
ROA:4%以上
自己資本比率:57.5%以上でしたが実際の数値はどうでしょうか。
実績→
ROA:4.7%
自己資本比率:60.3%
です。どちらも目標を達成しています。ただ当社がこの目標を掲げたのは多少の安全性を犠牲にしても将来を見据えた大型の投資を行うと言う目的があったからです。
この数値を見るとまだまだ投資を行う余力があるのではないかと言う気がします。
他の指標も算出してみます。
※総資本回転率は分母がストック項目なので2で割ってます。
売上高営業利益率:12.4%(目標6%以上)
総資本回転率:0.73(目標:0.7以上)
どちらも合格してます。
○経営者の行動
それではこれらの目標達成のために経営者はどのような行動をとったのか分析したいと思います。
まずKPIの一つであるROAを高めるために借入金や政策保有株式の圧縮をすると中期経営計画の財務指標のところで宣言しています。
借入金はどのように推移したかみてみましょう。
前期末→当第2四半期(単位:百万円)
短期借入金: 16,491→15,926(△¥565、△3.4%)
長期借入金: 5,086→4,924(△¥162、△3.2%)
金額にして7億円だけ圧縮されています。ROAの向上にはほとんど貢献していません。
金額で考えると総資本の1%にも満たない数字です。
ただキャッシュフローで考えると営業CF5,324百万円の13.7%なので大きいと言えば大きいかな?
次に政策保有株式についてですが残念ながら決算短信にも四半期報告書にも記載がなかったので省略します。
最近ファイナンスの勉強をしており、その視点から企業の決算をみてみようと言う試みをしてみましたがなかなか難しいですね。ただドライに数字を見るのではなく経営者がこう言う目標を掲げたから数値がこう動いた、みたいな繋がりが見えてくるときっと楽しいですね。
歴史の勉強でもただ事実を暗記するんじゃなくてストーリーを理解しろ、みたいな話があったと思うんですがそれと一緒なのかもしれませんね。数字にもきちんとストーリーがある。的な。ファイナンスの視点での分析、これからもやってみたいと思います。