こんにちは。
今日は東京鉄鋼をやっていきます。
○事業内容
まずはどんな事業をやっているのか見てみます。
大きくわけて
・鉄鋼事業
・環境リサイクル事業
の2つを展開しています。
鉄鋼事業は鉄筋コンクリート用棒鋼や鉄筋の機械式継手の製造販売を行っているみたいです。
よくわかりません。汗
と思ったらなんかいいページを見つけました。
日本の超高層ビルやマンションは鉄筋コンクリートによって出来ており、
東京鉄鋼はこの高強度鉄筋を製造しています。
また鉄筋は主に鉄スクラップ(廃材)を使っているため、この事業自体がリサイクル事業ともいえます。
環境リサイクル事業は廃自動車や廃家電などのリサイクルを行っています。
○業績分析
411日目
— モンエナ@企業分析 (@mon_ena1102) 2022年8月14日
東京鉄鋼株式会社(5445/鉄鋼)
第94期通期 #決算サマリー
○財務数値(日本基準)
売上高 623億円→660億円(前年比+5.9%)
当期純利益 49億円→△47億円
総資産額 650億円→630億円
純資産額 480億円→424億円
自己資本比率 73.7%→67.2%
増収減益です。営業利益の段階で1億円の損失が出ています。
まずは売上高が増えているのにもかかわらず損失が出た原因を探ってみましょう。
東京鉄鋼 22年3月期決算短信より
経営成績の概況をまとめると
・販売価格の引き上げ等により前年比+5.9%の増収。
・主原料の鉄スクラップや電力エネルギー、副資材の価格上昇により値差(製品価格と原材料価格の差)が大幅縮小し営業損失が1.9億円発生。
という感じです。
最近は物価高がいろんなところで叫ばれていますが、原材料費の高騰を販売価格に転嫁し切れていない分利益が減少している企業は多そうですね。
東京鉄鋼の類似企業は共栄鉄鋼(5440)です。次回共栄鉄鋼を扱う時に2社の業績比較をしてみたいと思います!(覚えていたら)
では今回の業績と当社の業績予測を比較してみましょう。
https://www.tokyotekko.co.jp/ja/ir/library/presentation/main/04/teaserItems1/01/linkList/0/link/20220531.pdf 2021年度決算説明資料より
期初予想では経常利益25億円、当期利益16億円に対して
実績では経常損失6億円、当期損失47億円となりました。
予測と実績が大きくずれたのは鉄鋼事業の営業利益、経常利益、当期利益ですね。
当期利益が大きなマイナス(=当期損失)となったのは決算説明資料下部にも表記されている通り、八戸向上において事業用資産の減損損失を計上したためです。
前期末で277億円あった有形固定資産が226億円になっています。
有形固定資産の17%近くを失ったことになります。
金額としてとても大きいと思います。
営業利益と経常利益の減少額はほとんど一緒なので同じ要因で減少しているはずです。
もちろんその要因というのは鉄スクラップなどの原材料費の高騰ですね。
鉄スクラップの価格推移を見てみると
21年3月に40,000円/トン前後だった鉄スクラップが
5月には49,500円~50,700円/トン、
22年3月には63,800円~64,800円/トンまで上昇しています。
最大で60%近く上昇しています。
細かい数字は下記URLを見てみてください。
業績予測を出したのが5月6日なのでちょうどその時期くらいから鉄スクラップの高騰が始まったのでしょう。
市況を読むというのはプロでも難しいのですね。
業績予測と実績を比較することで業績自体の理解が深まったような気がします。
今後もこの視点は活用していきたいと思います。
今日はここまで!