#225 東亜石油第149期第3四半期

こんにちは。今日は東亜石油を分析します。

どうやったらブログの更新を習慣化できるんだろう。。。

 

 

○どんな会社?

出光興産の石油精製会社。出光興産が株式の50.0%を保有しています。

川崎市に本社があり、市内に京浜製油所、水江発電所を持っています。

 

事業内容は石油精製業及び電力供給業としています。

 

従業員の90%以上が石油部門に属しており石油事業部門が主力と言えます。

 

出光興産が輸入した原油に蒸留や分解などの処理を施すことによりLPG、ガソリン、軽油などの石油製品にします。

石油事業|事業紹介|東亜石油株式会社 より

 

精製した石油製品は出光興産1社のみに販売しており、特定企業への高い依存度は事業上のリスクとされています。

 

電気事業部門では製油所で出た副生ガスを発電用燃料としてガスタービン発電、ボイラータービン発電を行っています。

 

製油所と発電所を隣接させることで資源の有効活用を実現しているのがこの会社の強みです。

イメージ的にはパンの耳でラスクを作るみたいな感じですかね????

 

東亜石油の強み|事業紹介|東亜石油株式会社

 

会社概要|会社情報|東亜石油株式会社

 

○財務数値(累計/日本基準)

売上高 197億円→185億円(前年同期比△6.2%)

営業利益 8億円→11億円(同+38.3%)

経常利益 8億円→11億円(同+38.1%)

四半期純利益 8億円→9億円(同+8.0%)

総資産額 945億円→949億円(同+0.4%)

純資産額 282億円→287億円(同+2.0%)

自己資本比率 29.8%→30.3%(同+0.5pt)

 

 

まず業績をざっと見てみると減収増益です。

特に営業利益と経常利益が大きく伸びています。

この原因を探ってみましょう。

売上高が減って営業利益が伸びているということは売上原価もしくは販管費が売上高の減少幅以上に減っているはずです。

 

売上高 197億円→185億円(前年同期比△6.2%)

売上原価 177億円→162億円(同△8.6%)

販管費 10億円→10億円(同△1.5%)

 

売上高と各費用の前年比をみてみると売上原価が大きく減っていることがわかります。

販管費の減少幅は小さいですがそもそも金額が小さいので営業利益に与える影響は小さいですね。

 

ではなぜ売上原価が減ったのか、決算短信の「経営成績に関する説明」を読んでみます。

 

東亜石油(株)22年3月期第3四半期決算短信より

 

なんか情報量少なくない...?

って、決算短信だからそりゃそうか。笑

 

というわけで今度は四半期報告書を見てみましょう。

 

東亜石油(株)第149期第3四半期報告書より

 

セグメントの業績を見てみると、

石油事業部門はセグメント損失が出ていることがわかりました。

 

石油製品と原油・原料油の価格差が前年同期と比べて縮小したことなどにより損失が発生したとのことです。

 

それだと売上原価が大きく減少したことの説明にはなりません。

 

今度は電気事業部門を見てみましょう。

電力と発電用燃料の価格差が前年同四半期と比較して拡大したことなどにより増益となりました。

つまり原料である発電用燃料が相対的に安くなったため売上原価が減少したということですね。

 

 

 

次に東亜石油のP/Lを見てみると販管費が極めて小さいことに気づきます。

これはおそらく販売先が出光興産と決まっているので販売に労力がかからないからであると予想できます。

 

この現象、他の企業グループにも当てはまるのでは?と思ったのでENEOSグループの鹿島石油株式会社のP/Lを見てみました。

 

東亜石油と同じ石油精製事業を行っています。

 

 

鹿島石油株式会社第55期計算書類より

 

案の定、販管費が売上高に占める割合はたったの2.6%。

東亜石油と同じく販売先が固定されている企業の販管費は極めて小さくなることがわかりました。

よく考えたら当たり前と言えば当たり前だけどビジネスモデルが財務数値に現れる例として面白いと思いました。

 

今日はここまで!