Twitter(@mon_ena1102)の第226回の決算サマリーで扱った関西電力について今日は深掘りしたいと思います。
2022年3月期 第3四半期決算短信等|決算短信|IR関連資料|IR情報|関西電力
関西電力(9503)は電力業の中で時価総額1位です。発電・販売が主力で、他に送配電やガス・他エネルギー関連もやっています。
電力各社の決算ブログ一覧
○財務数値(累計/日本基準)
売上高 2.2兆円→1.9兆円(前年同期比△10.7%)
経常利益 1,611億円→1,147億円(同△28.8%)
四半期純利益 1,151億円→735億円(同△36.1%)
総資産額 8.1兆円→8.4兆円(同+3.6%)
純資産額 1.7兆円→1.7兆円(同△0.7%)
自己資本比率 20.9%→19.9%(同△1.0%)
という感じになっています。
○業績
まず業績は減収減益ですね。
それも売上高の減少以上に経常利益が減少してします。
これは僕が取り上げる企業の大体がそうだと思いますが費用に占める固定費の占める割合が高いため、売上が伸びるほど利益も大きく増えるビジネスモデルだからだと思われます。逆に言えば売上が減れば減るほど利益にも大きな影響が出るということです。
そして興味深いのが原子力利用率が大きく上がっていることです。
当期の決算説明資料によると前年同期が31.3%だったのに対して当年は62.6%とちょうど2倍です。
これは美浜原発が再稼働されたことによるものと見られます。
40年超の美浜原発3号機が再稼働 原発事故後 全国初 | 各地の原発 | NHKニュース
昨年6月に再稼働されたもののテロ対策が不十分であったために10月に停止。今年10月に再稼働する予定です。
関西電力の40年超原発、美浜3号機は22年10月に運転再開: 日本経済新聞
10月に停止してしまったものの原発を再稼働したことによりエネルギー事業のセグメント利益は470億円増加しています。にも関わらず為替燃料価格の変動影響等で結局減益となっています。
○資産
それでは関西電力のB/Sを見てみましょう。
B/Sを見てまず思うのが圧倒的な固定資産の大きさ。
資産に占める割合は88%くらいです。ほとんどが固定資産です。
B/Sを見ることで各電力会社がどの発電技術に依存しているかがよくわかりますね。
固定資産の中の発電設備に関するものは合計で1.4兆円。そのうち水力発電が2,991億円(21.8%)、汽力発電が3,251億円(23.7%)、原子力発電が7,474億円(54.5%)です。原子力が過半数を占めています。
当社では発電設備以外にも核燃料という勘定科目で5,284億円を計上しています。原子力が主力だと言って間違いないでしょう。
流動資産の流動負債に対する比率である流動比率は57.4%で他の業界と比べると低めです。
同業他社の九州電力の21年12月期3Qの流動比率は60.1%ですので電力業界においては特別低いということもないかと思います。
http://www.kyuden.co.jp/var/rev0/0325/6012/03vk489z.pdf
○損益分岐点
最後に関西電力の損益分岐点についてみていこうと思います。
普段使っている方法ではなぜか算定できず色々調べて別の方法で損益分岐点を算出してみました。あってるかどうか不安ですが。。汗
今回は費用の勘定科目を固定費と変動費で分解する手法を使いました。
固定費としたのは人件費関連、広告宣伝費、研究開発費、金融費用です。
これらの当期の総和である固定費は490,143百万円で売上高に占める固定費の割合=固定費率は15.8%です。
損益分岐点売上は固定費+変動費より2,983,420百万円=大体3兆円。
損益分岐点からどれくらい売上高が離れているかを示す安全余裕率は3.5%となりました。
計算あってる自信がないな。。固定費+変動費なら損益分岐点は結局総費用と同じなので算定する意味があるのかよくわからない。
一番は総費用と売上高の散布図から近似曲線を出してその切片を固定費とする方法を信用してるんですが今回やってみたら固定費がマイナスになりました。泣 結構時間かけたのに泣
損益分岐点分析は重要な論点だと思うのでこれから勉強しなおそうと思います。
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