今日は今年10/31から11月13日まで開催された、
気候変動に関する国際会議であるCOP26について記事にまとめます。
(一部自分のツイート@mon_ena1102 より)
○COP26まとめ
COP26とは「国際気候変動枠組条約第26回締約国会議」の略です。
今年10月31日から11月12日まで英国スコットランド・グラスゴーでおこわれた。
地球温暖化の原因となっている「温室効果ガス」排出量削減についての会議です。
今回のCOP26は各国間の意見の調整が難航し当初よりも協議が1日延長されました。
COP26の最も大きな成果は、成果文書で「1.5度目標」を実現するために努力することが明記されたことだと言われています。
2015年に採択されたパリ条約では「産業革命前と比べて世界の平均気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑える」という目標でしたが「1.5度目標」に格上げされました。
国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)において1.5度上昇で熱波や豪雨、間伐の発生頻度が高まる試算結果が公表されました。そのため議長国である英国は「1.5度目標」を成果文書で強調することをCOP26の最優先課題と位置付けていました。
○1.5度上昇にこだわった理由
1.5度と2.0度って対して変わんないじゃんと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、災害リスクはこのたった0.5度の差で変わります。
下記URLはNewsPicksの有料記事なので会員じゃないと読めないかもです。
ただすごく分かりやすくまとまってます。
「気候モデル」の高度化や、人工衛星や氷床コアなどのデータ解析が進んだことで、気温上昇が1.5度だった場合や2.0度だった場合のシミュレーションを正確に行えるようになりました。
それをまとめたのが先ほどのIPCCによる2018年の「1.5度特別報告書」です。
産業革命前から1.5度上昇の場合と2.0度上昇の場合の違い(1.5度→2.0度)
・5年に1度異常な熱波に襲われる人口
14%→37%
・夏に北極の氷床が消失する頻度
100年に1回→10年に1回
・とうもろこしの収穫量減少
3%→7%
・サンゴ礁の減少
70~90%→99%
このように0.5度違うだけで大きな違いがあります。
というか1.5度に抑えてもサンゴ礁が7割異常消えるのはやばいですね。汗
議長国イギリスが1.5度目標にこだわったのも頷けます。
○石炭火力の廃止には至らず
しかし二酸化炭素の排出量の多い石炭火力については当初の目標であった「段階的な廃止」という表現は盛り込むことができず、「段階的な削減」という表現で妥協が成立した。
→石炭火力を主電源とするインド代表が強硬に反発したため。
COP26とはいったい何なのか 2分で解説 - BBCニュース
なぜインドが石炭にこだわるかというと、発展途上国では再エネなどの技術がまだ発展しておらず、またエネルギー源として最も安価な石炭に依存しているためです。
各国の石炭依存度は(2015年時点なので情報は少し古いですが)
中国:70%
インド:75%
日本:34%
欧州:23%
英国:9%
世界:40%
という感じです。
欧州では脱石炭が進んでいるので割合は低いですが、発展途上国では石炭依存度は高いです。
そのため脱炭素のためと言っても経済的に余裕のないインドは「石炭を段階的に廃止」という文言に反対したのです。
国によって異なる石炭火力発電の利活用|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁
○まとめ
石炭に限らず、工業化を早く達成し経済的繁栄を享受してきた先進国と
そうでない発展途上国の溝というのは大きいですね。
先進国も途上国も協力して気候変動に対応する必要があります。
中でも石炭火力の技術で世界最高レベルを誇る(らしい)日本の役割は大きいと思います。
そこら辺はいずれ記事にしたいと思います。