出前館はこのまま成長を続けられるのか?

こんにちは、モンエナです。

 

7/13に株式会社出前館の第22期第3四半期決算の報告書が提出されました。

 

普段街中を歩いていると出前館のドライバーさんを見かけることがありますね。

 

間違いなく成長している出前館ですが、財務的安全性はあるのか検証してみましょう。

 

○四半期業績概要

売上高68億円→184億円(前年同期比+171%)
経常利益△19億円→△128億円
純資産額307億円→139億円(△54.6%)
自己資本比率78.3%→53.3%(△25pt)

 

 

○主要KPIの推移(3Q'20→3Q'21にかけての5四半期)

1.GMV・オーダー数

 GMV:297→308→307→403→428(億円)

 オーダー数:1,070→1,110→1,150→1,480→1,580

2.加盟店舗数

 2.5→3.3→4.5→5.9→7.4(万店)

3.アクティブユーザー数

 370→392→471→582→652(万人)

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主要KPI

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2484/ir_material_for_fiscal_ym/102846/00.pdf

株式会社出前館 2021年8月期 第3四半期 決算説明会資料より

 

○中期経営計画の進捗

GMV

21年8月期目標:1,600億円→進捗率:71%

加盟店舗数

21年8月期目標:7.5万店→進捗率:98%

シェアリングデリバリー世帯カバー率

21年8月期目標:36%→今期目標達成済み

 

→計画に対して着実に実績を残している

 

○財務数値に関する各項目の内容

○売上高

出前館サービス利用料

出前館プラットフォームの利用料

・配達代行手数料

→配達代行(シェアリングデリバリー)サービスの利用手数料

・その他

→決済代行手数料、子会社による通信販売事業売上 等

 

○売上原価及び販管費

・売上原価

→業務委託(配達員)、システム運用費、決済代行手数料 等

・人件費

→アルバイト配達員人件費、本社人件費、株式報酬費用

・広告宣伝費

→広告掲載費用、販促費用 等

販管費

→業務委託費(営業外注)。消耗品費・リース料、支払手数料、地代家賃 等

 

↑あんまり重要じゃないね。汗

 

 

 

○財務的安全性

 

・直近の2会計期間(19年8月期〜20年8月期)は赤字がでている

・特に第21期(20年8月期)は売上高103億円に対して41億円の当期純損失を出している

・確認できる第13期から(第14期のみを除いて)継続して投資CFは大きなマイナス

→完全なる先行投資型

 

・第21期に超大型の資金調達をしている

(せっかくグラフ作ったのに21期のせいで見えづらくなった泣)

→これにより資金繰りに当面困ることはないだろう。

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あまりにみづらいので21期のデータを消してもう一度載せてみます。

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○第21期の資金調達について

第21期の連結株主資本等変動計算書を見てみると

新株の発行で資本金と資本剰余金がそれぞれ150億円ずつ増加している。

その1期前の株主資本の合計が26億円なのでその金額の大きさに驚く。

他にも貸借対照表を見てみると未払金が37億円増加している。

 

これにより総資本は70.8億円→359.9億円(前年比+408.0%)

自己資本比率は40.1%→79.2(同39.1pt)に跳ね上がっている。

 

この300億円の新株発行を誰が引き受けたかというと、LINEだ。

・この前日の3月26日、出前館は、LINEとLINE傘下の未来Fund有限責任事業組合を引き受け先とする、総額300億円の第三者割り当て増資を発表した。

LINEが投入する300億円のうち、半分強の161億円がマーケティング費用に投じられ、そのうち53億円は認知度向上、つまり宣伝に使われる。だが、中村氏が巨額出資を仰いでまでも得たかったのは、お金以上にLINEのシステム開発力だ。

 https://toyokeizai.net/articles/-/343216 より

 

300億円のうちシステム開発に投入されるのは59億円と、マーケティング費用に比べると小さい。しかしLINEからシステム開発要員を50人受け入れる。

 

LINEグループが20年秋にZホールディングスと経営統合したことにより、Zホールディングスの親会社であるソフトバンクグループが出資する最大のライバル、UberEatsとも遠い親戚のような存在になる。成長資金と開発力確保のためにLINEからの出資を受けた出前館だがこの決定がどんな未来につながるのか注視したいですね。